【遠藤貝類博物館】


『陰陽師』10巻の中に「翁戎貝」(オキナエビスガイ)という貝が出てくる。
真葛がまだ見ぬ磯の風景を室の中に作る時に欲したあの貝である。
螺旋の美しいその貝をこの目で見ようと、真鶴へ出かけた。

* * *

博物館正面 遠藤晴雄館長
≪海岸側より望む≫ ≪遠藤晴雄館長〜オキナエビスの前で≫

真鶴駅から細く急な坂道を行く「岩」行きのバスで5分。「岩海岸」で下車して坂を少し下ると目の前に小さな海岸が広がる。坂を下った角が「遠藤貝類博物館」だ。1階が展示室で2階は研究室となっている。しんと静まり返った館内に入ると、奥に館長の遠藤晴雄さんがいらっしゃった。

「研究者の方ですか?」
「いえいえ、“オキナエビスガイ”を見に来ただけなのですが…。」
「そうですか。どうぞゆっくりご覧になってください。」

初めて実物を見る。並んでいるオキナエビスの大きいのに驚いた。大きさは様々なのだが、思っていたより大きいものが多い。形もそれぞれ微妙に異なる。そして美しい。 翁戎貝(オキナエビスガイ)は世界に27種類しかいない。そのうちの26種類を遠藤館長は既に収集されている。残るは1種類、中南米産の“チャールストンオキナエビス”だそうだ。

翁戎貝の他にも館内には所狭しと貝が陳列されている。真鶴湾に生息している身近な貝から世界各地の珍しい貝まで、その様々な形を見るだけでもしばし時間を忘れてしまう。 私は研究者ではなく単なる見物者なのだが、私の素朴な質問にも遠藤館長は快く答えてくださり、貝にまつわる色々なお話を聞かせてくださった。

展示室の壁には遠藤貝類博物館のシンボルでもある“オオイトカケガイ”などを図案化した切手によって描かれた絵も掛かっている。この貝シリーズの切手はもう発売中止なのだが、ご存知の方も多いと思う。今、手元にその貝シリーズの40円、41円、62円切手があるが、62円切手が“オオイトカケガイ”だ。改めてじっくり見てみるととても美しい。が、実物は更に神秘的な美しさをたたえている。

2003年、米寿を迎えられる遠藤館長は貝についてまとめた本を出されるそうだ。海の中の美しきものへの情熱は醒めることがない…。

(2002.9)

※遠藤晴雄さんのインタビュー記事が、コスモ石油発行の『DAGIAN』(ダジアン)という雑誌に掲載されています。41号(2002年1月発行)特集「貝」の中です。

小石やガラス片 岩海岸

≪岩海岸のきれいな小石やガラス片≫


【遠藤貝類博物館】
〒259-0200 神奈川県足柄下郡真鶴町岩479
TEL:0465-68-0357

【入館料(30人以上は団体割引あり)】
小人・中学生 …  100 円
高校・大学生 …  200 円
大人 …  300 円

【開館時間】
AM10:00〜PM4:30
※7月25日〜8月25日は
AM9:00〜PM8:00

【休館日】
水曜日、年末年始

バスは本数が少ないのでバス停にてご確認を。
頑張れば真鶴駅から徒歩でもOK、かな?


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