途中だけどひとまず
エピローグ


こうして遅きに始まった私の「安倍晴明」をめぐる旅だが、結構あっちこっちに振り回されている。振り回されているというよりも、私の勉強不足を見抜かれ、「まだオマエには資格はないよっ」と追い返されているような気分になることがしばしば。

今年2002年、岡野玲子の『陰陽師』にハマり、6月には京都の晴明神社に詣でたのであるが、予定していた当日、荷物の重さと暑さのせいで体調を崩して私は吐きまくり、参詣を翌日に延ばさざるを得なかった。しかしまぁ翌日の参詣した日は空は見事に晴れ渡り、この上ない美しい日になったので気に留めなかったのであるが…。

11月、大阪の道教学会で岡野玲子氏が講演をなさるというので行ってみた。ご本人を直接拝見するのは初めて。その前に8月の某TV局の衛星番組で、ブラウン管の中の岡野氏を見たことはあったが(これはラッキーで、ちょうど仕事の出張と重なり、ホテルのTVで見ることが出来た)。

ご本人に直接会える(実物を見られる)というのは私の中でとても大きいことで、とても楽しみにしていたのであるが、講演中、岡野氏は「(岡野氏の中のあるものに)こちらをみなさい、と言われている」と仰られ、岡野氏から向かって左側客席の方を向いて話され、客席中央をほとんど向かれなかった。そして私はその中央部分に座っていた…。

ショックだった。そんなこといちいち気にしなくていいのであるが、でもたまたま岡野氏の目線の外された真ん中に座ってしまった自分の運の悪さを嘆いた。

運の悪さはそれだけでとどまらず、学会当日に参加者に配られた資料は私の少し前の人で終了してしまい、お宝満載のその中身を当日見ることはできなかった(後日郵送ということに)。さらに、当日売られていた晴明神社編『安倍晴明公』の本も、買おうとしていた私のすぐ前の人で売り切れてしまったのである。あぁ…。

最初から不調だったわけでもないのにこんなにタイミングを外すというのは一体何故?つい、「オマエはまだまだだよ」って言われてるような気になってしまうわけです。そんなわけで、遅くても行こうと思っていた阿倍野の晴明神社に詣でることもせず、私は足早に大阪を後にしたのである…。

帰路の途中で立ち寄ろうと計画を立てていた、京都の老舗喫茶店『六曜社珈琲店』にも満席で入ることができなかったということも付け加えておこう――。

(2002.11)

* * *

【後日談】
そんなバッドタイミングの連続だった私にも最近少し、希望の光が差してきた。 11月の終わり、『陰陽師』第11巻を書店で購入。そして家に戻ると件の「道教学会」の資料が届いていた。同じ日に手にするなんてステキ。しかも中身を見てびっくり。資料が遅れたお詫びにと、主催者側のご好意で学会での壇上のスナップ写真が数葉プリントされてました。そこにはもちろん岡野氏のお姿も。
11月21日に出雲大社の神在祭と日御碕神社、翌21日に素戔嗚尊をお祀りする出雲の熊野大社と八百万の神々の二次会場の佐太神社などに参拝してきたのが効いたのかもしれない(笑)。

ところで、熊野大社と佐太神社に詣でたその日、私は西の空に朝の虹を、そしてお昼をだいぶ過ぎた頃には東の空に午後の虹を、一日に虹を2回も見るという幸運に恵まれたのであった。

≪阿倍野〜月≫


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